プリア・コー

 次に訪ねたのはプリア・コー。崩れかけた門の横で車を降りると、クロマー(カンボジアの万能スカーフ)や土産品を両手に抱えた子供達がワッと群がってきました。他に観光客もいない境内に入ってみると、フラットな台座の上に6基の祠堂が段差なく並んでいます。巨大なピラミッド型の寺院とは異なり、ここには人を圧することのない穏やかな空気が流れていました。
879年に建立されたプリア・コー
アンコール遺跡群最古の寺院
879年に建立されたプリア・コー
 9世紀(881年)、インドラヴァルマン1世が父母のために建造したもので、アンコール遺跡群最古の寺院。両親が信奉するヒンドゥーの神々を祀ったとされています。6基の祠堂前に侍している3頭の聖牛ナンディ(ヒンドゥーの主神シヴァの乗り物)がそれを物語り、また彼らが寺院の名の由来ともなっています。”プリア”は「聖なる」、”コー”は「牛」と言う意味なんです。


 ロリュウス地域に入ってからは、田園風景が物珍しいのか友人は大はしゃぎ。私も”見学優先”から”客人優先”に切り替え、花や実の観察したり脱穀作業を見学したりと一緒に楽しんでしまいました。「寄り道もまた楽し」です。
足踏み式の臼を踏む少女
道端で足踏み式の臼を踏む少女
 途中で不思議な実がぶら下がっている木の下を通りかかりました。「あれは?」と聞くと何と綿の実なのだとか。「どんな実なのか見てみたい」と言うと、近所の子供達に棒を持って越させ数個落としてくれました。巨大なオクラのような実を割ってみると、確かに白い繊維質のようなものが詰まっています。熟れると綿になり、若い頃は食用になる、と言っていましたがどうでしょう?

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