水上の家

 全員がこの船に泊まると思っていましたが、ホテル泊まりを希望していた人もいたようです。鍾乳洞を出て1時間ほどクルーズをした所で一隻の船がドッキング、貴重な日本人のお二人がそちらに移っていきました。ハロン湾で一番大きな、カットバ島にあるホテルに泊まるんだそうです。これで日本人は一人になってしまいました。では明日の朝まで「サヨウナラ!」。

 間もなく船は水上生活者の家々が浮かぶ水域にでました。漁師さんか養殖業者の家なのでしょうが、船が近づくと犬が威嚇にでてきたりして驚きました。トンレサップ(カンボジア)にも多くの浮き家がありますが、あちらは猥雑な下町、こちらは静かな別荘、と言った感じです。

菜園や犬の遊ぶスペースもある、水上生活者の家々
菜園や犬の遊ぶスペースもある、水上生活者の家々
 この景色は映画『インドシナ』を思い出させます。フランス植民地時代のベトナムが舞台で、ゴム園の女主人(カトリーヌ・ドヌーブ)と、その養女の波乱の生涯を描く大河ドラマで、このハロン湾もその重要な背景として登場していたからです。

 同時代を描いた作品として有名なのは、デュラス原作の『愛人(ラ・マン)』。こちらは南部サイゴンを舞台とし、退廃的でけだるいエロチシズムを漂よわせながら、少女の清純さも光る印象的な映画でした。ベトナムに興味のある方にはどちらもお薦めです。

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