ヤマトホテル

 本には所要時間5時間と書かれていましたが、7時間後の14:30、瀋陽駅に到着しました。写真で見たことのある満鉄時代の駅舎かと思いきや、降り立ったのは近代的な巨大駅。後でわかったのですが、瀋陽には2つのターミナル駅があり、こちらは瀋陽北駅の方でした。

 瀋陽での宿は、かつての奉天ヤマトホテル。駅からタクシーを拾って行き先を告げると運転手さんが、「昔はあのホテル、お金があっても泊めてもらえない格式のあるホテルだったよね」と言っている、と友人が通訳してくれました。どんなホテルなんだろう、楽しみだな。

奉天ヤマトホテル
瀋陽での宿は、遼寧賓館(かつての奉天ヤマトホテル)
 欧米人も泊まれる宿泊施設として、大連・旅順・長春などに満鉄直営で開業されたヤマトホテル。その最後を飾るものとして、1929年に建てられたのがこのホテルです。エレベーター脇の壁面には、ここに宿泊した要人・有名人の名前と日時が一覧表になって貼ってありました。

 見てみると年代順ではありません。表のトップはもちろん毛沢東主席で1958年の2月。以下周恩来、劉少奇、朱徳など要人達が名を連ねています。日本関係者は一番下で、ラストエンペラー溥儀(1933年代)や蒋介石(1946年)はここに含まれていました。宿泊施設と言うより歴史の生き証人、博物館並みに重みのあるホテルなんですね、ここは。


 ホテルは毛沢東の銅像が立つ円形広場に面していて夕方には人々が集い、水習字や太極拳、コーラスなどを楽しんでいました。一時期太極拳を習っていたことがあるのですが、ここで様々な形が演じられているのを見て驚きました。その中で自分の記憶と近い動作のグループを見つけ、滞在中は毎日参加させてもらいました。今回の中国旅行の中で、これが一番楽しかったかも。
ダイニングルーム
クラッシクな内装のダイニングルーム
でも良く見ると、傷みが結構目立ちました
 この写真は朝食を食べた時のダイニングルーム。落ち着いた朱色の壁紙(織物でしたが)に、白に金をあしらった高い天井のコントラストが華やかかつシック。中央に見えている下がり壁の部分は、折り戸で2つに仕切れるようになっています。その片面には水墨画風に色を押さえた万里の長城、片面には緑鮮やかな山水が描かれていて豪華です。でも良く見ると、かなり傷んでいる箇所もあり早く修復して欲しいなと思ってしまいました。

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