街角の珍商売

 「何か面白いものはないかな」と街を見渡すと、歩道に机を出しその上の小さな機械を操作している人をちらほらと見かけました。その前では順番待ちの人までいるので、近づいて作業風景を見学させてもらいました。

 シリアでは国民全員が身分証明書を携行、長距離バスに乗る時などはこれを提示してチケットを買っていました(旅行者はパスポートの提示)。この作業はそれに大統領一家の写真を挟み込む、というもの。まず証明書のビニールシールをはがし希望の写真(何パターンかありました)を置き、新しいビニールケースに入れ熱でシーリングする、のです。先ほど見たのは、このシーリング作業だったんですね。これが忠誠心をはかる尺度にでもなるのでしょうか、我も我もという熱気が伝わって来るような光景でした。

 もう一つの街角の商売は「水売り」。中でも一段と派手なコスチュームで水を売っている人にカメラを向けました。彼にそのデジカメ画像を見せていましたらワッと人だかり。と、すぐに誰かが割って入って何か一言。途端にクモの子を散らすように人はいなくなりました。

 集まってきたのも散っていったのも本当に瞬間のこと。最初呆気にとられてしまいましたが、あれはきっと秘密警察の人で「街中で集まったらいかん」とでも言ったのかもしれません。こちらには何のお咎めもありませんでしたが、ちょっとヒヤッとした出来事でした。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です