高村山荘

 戦後の数年間、光太郎が東北に疎開し山荘暮らしをしていた事は知っていましたが、その土地が花巻だとは思ってもいませんでした。ですから、花巻温泉の近くに「高村山荘・記念館」の文字を見つけた時には、「エッ、ここだったの?ヤッター!」と飛び上がって喜んでしまいました。標識に導かれて行ってみて、山荘と呼ぶには余りにも小さく粗末な小屋の前に立った時、それは驚きと光太郎に対する尊敬の気持ちに変わっていきました。
光太郎山荘
「光太郎山荘」覆い屋 : 実際の山荘はこの中です
 杉皮で葺いた屋根、荒壁、細い柱、障子一枚の窓、土間と囲炉裏を切った板の間、あわせても6畳ほどの空間です。今は二重の套屋に守られていますが、吹雪の日には雪が吹き込むというあばら屋暮らしに62歳の光太郎は何を思っていたのでしょう。障子に書かれた日時計や、厠(トイレ)の「光」という文字の明かり取りにその芸術家の7年の重みを感じました。

 記念館・山荘の周辺は散策路としても整備されていて、湧き水”智恵子の泉”、”雪白くつめり”の詩碑、智恵子の名を絶叫したという”智恵子展望台”などを巡る事が出来ます。「智恵子抄」に感激したあなた、ここに来て二人を偲んでみてはいかがでしょう。


名称 高村山荘・記念館
住所 花巻市太田3-91 
(Googleによるこの住所の地図)
(Googleによるこの住所の衛星写真)
電話 0198-28-3012

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