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 富田山荘で「鳥居があるからすぐわかります」と聞き、広瀬の町から20キロ走ってきました。西比田地区に入り鳥居が見えてきたので右折しましたが、そこには谷に沿ってのびる棚田が見えるだけ。道を聞く人もいないので半信半疑で谷を詰めて行きますと、前方に白く輝くドームが見えてきて「ホッツ」。

 金屋子神社は、たたら製鉄を生業をする人たちに信仰された金屋子神を祀っています。ここには民話館もあるそうなので、ちょっと楽しみ。
金屋子神社のある谷 : 右手の白い建物が神話民俗館です
金屋子神社のある谷 : 右手の白い建物が神話民俗館です
"農業神"から: 日照りで困っていた播磨(はりま)の国の岩鍋に、慈雨をもたらし多くの人を飢餓から救った金屋子の神。この農業守護の性質を持つ神様が、「ここでは雨を降らせましたが、これからは西の方へ行き、人々に鉄の製法を教えなければなりません」と、白鷺にのって飛び去っってしまった。

"鉄の守護神"へ: 西比田を選んで"桂の木"に降り立った金屋子神は、他の神様達を動因し人々に鉄作りの技術を教えた。高殿(永代たたら)の建設に加わった75神を初め、火災から高殿を守る神、炉に風を送る神、方位を守る神…と"たたら製鉄"には多くの神様たちが参加した。

 この神様が一緒だと質の良い鉄が産み出されると、"たたら師"達の間に金屋子信仰がおこり、たたら場には必ず金屋子神が祀られ桂の木が植えられた。その後、たたら集団の拡散と共に全国に広まり、現在では1200社を数える。その総本山が、ここです。
鉄の道文化圏関連参考書籍

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