里曳き

 ”御柱祭”とは『寅と申の年の6年に1度、山の巨木を里に人力だけで曳き降ろし、諏訪大社各社殿の4隅に建てる』お祭りです。長野オリンピックの開会式でも披露されましたので、今ではすっかり全国版になりました。

 「里曳きは参加しないと・・・」と山小屋に修理に来てくれた水道屋さん。今年自分達の町内は本宮一の御柱を引き当てたし、曳き綱も御柱に近い2番綱。「町内のハッピを貸しますから一緒に曳きましょう」と誘って下さいました。

“御小屋の山のもみの木は 里へ降りて神となる”<
 と唄う木遣りと共に、春浅い4月に”山出し”された御柱は、風薫る5月、いよいよ”里曳き”と相成ります。

“ここは前宮一の坂

姉さも年寄もお願いだ

てこ方衆やれお願いだ”

いよいよ"里曳き
いよいよ”里曳き

 長さ16m、直径1m以上、重さ10tを上回る大木をコロも使わず(水はかけますが)人力だけで曳いていく。長さ200~300mという曳き綱を街道を埋め尽くした人で曳いていくのですが、これはまさに巨大綱引き。全員が力を合わせないと動きません。ここで活躍するのが上記の”木遣り唄”なのです。

 木遣りが唄われると「よし、曳くぞ!」、と心の準備が整い一斉に力が出せる。「柱を動かすのは木遣り次第」と言われますが、下手な(?)木遣りだといくら「お願い」されても力を入れる気にもならない、というのは本当でした。自分の木遣りで巨木が動き出す瞬間は、きっと唄い手冥利につきることでしょう。

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