ミレトス

 ミレトスでは、遺跡の入り口付近にある野外劇場の大きさに驚かされました。かつて真下に港があった頃、この大劇場は入港する人々の眼をうばったことでしょう。 先日「エフェス」を古代の港方面から眺めた時、まず巨大な野外劇場が眼に入ってきたことを思い出しました。

 海岸線の後退で、今は綿花畑になっている周囲を眺めているうち、ふと「この景色どこかで見た?!」との感覚に襲われました。初めて来たのに懐かしい、そんな場所を皆さんもお持ちでしょう。私が住んでいたのはきっと、壮大な野外劇場が港(海)に向って建てられていた、こんな古代都市だったのかもしれません。

ミレトス
ミレトス
プリエネ
プリエネ

 最後に見学したプリエネは、小高い丘の上の遺跡なので入り口からかなりの急坂を登っていかなければなりません。当時人々はメンデレス河の氾濫に悩まされていたそうで、絶対その被害にあわない高台に町を造ったのでしょう。このアテナ神殿、背後に岩山を従えて「神の近くにいる」という雰囲気を漂わせていました。


 翌日、クシャダシの港からサモス島経由のフェリーでアテネへの帰路につきました。甲板でだんだん遠ざかっていくトルコを見ながら「もう一度、海からこの町を訪れたい」と考えていました。そう古代の人々がそうしたようにです。

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