レバノン杉

 レバノンの国旗にもなっているレバノン杉。栄華を誇ったソロモン王が神殿を建てる時この杉を所望した、という話が残っているほど古い歴史を持っている木です。かつては国土を覆いつくしていたというこの巨木、丈夫で腐りにくいことから古代には(BC3000年頃~)エジプトとの重要な交易品になっていました。
レバノン杉保護地域、右手の建物が入り口です
レバノン杉保護地域、右手の建物が入り口です
 エジプトというと頭に浮かぶピラミッドとミイラ、この双方ともレバノン杉なしでは有り得なかったほど両者は密接な関わりを持っています。神聖視されてもいたこの大木は、神殿や宮殿、造船、お墓、住居などに用いられ、特にその殺菌効果の高い樹脂は船の防水やミイラ作りには欠かせないものだったようです。用途が多く富を産むこの杉、近世まで乱開発が続き今では標高2,000mのこの地に残る1,000本余り。

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