ヨイトマケ

 私たちが陣取ったのは建御柱の舞台裏、御柱を人力で立ち上げるための道具が置かれた場所でした。近くの人に名を聞くと「ヨイトマケだよ」との返事。これを聞き頭に浮かんだのは、丸山(現美輪)明宏さんが「♪母ちゃんのためならエ~ンヤコラ・・・」と朗朗と歌い上げた「ヨイトマケの唄」。

 自分でも見たことがないその光景を人にどう説明しようかと、ネットで調べてみましたら良いページがありました。「新宿のうたごえ喫茶」でもリンクしている「うたごえ喫茶のび」です。うれしいことにイラスト入りで一目瞭然、「中々良い仕事しているじゃない」とエーちゃんを見直してしまいました。

湖東・北山・米沢地区のヨイトマケ(しゃち、かぐらさん)
湖東・北山・米沢地区のヨイトマケ(しゃち、かぐらさん)
 さて話を御柱に戻しましょう。最初は快調に動いていたそのヨイトマケですが、巻き上げるにつれ柱の重みに耐えかねてか本体が浮き上がり辺りは騒然。一時中断して試行錯誤の末、角材を乗せてその上を重機で押さえる、ことにしたようです。小型の重機が運ばれ、その方法で作業が再開されましたが、「人を乗せたまま御柱が倒れてしまうのでは?」と、最後までハラハラしながらの見学となりました。


 赤・黒・黄色、地区毎に趣向を凝らした装束で参加しているので、境内は色があふれとても華やか。湖東・北山・米沢地区のカラーはピンク。ハッピも桜の花が散らしてあって、遠くから集団を見るとまるで満開の山桜を見るようでした。本当はこの様子を前面から見たかったのですが、勉強(下見)不足のため背後からしか撮ることができなかったのがとっても残念です。
次第に角度を増す"一の御柱"
次第に角度を増す”一の御柱”
北山・米沢・湖東と順序良く乗っています
 蛇足ながら「ヨイトマケ」を広辞苑でひきますと、『重い物を滑車で上げ下ろししたり、綱で引いたりする動作を、大勢で一斉にするときの掛け声。転じて、そのような労働、主に地固めなどの仕事を日雇いでする人』となっています。それが再び転じて、このような人力巻き上げ機のことを「ヨイトマケ」と呼ぶようになったのかもしれません。

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