レッド・ターンズ

11日目 : 『アオラキ/マウント・クック国立公園は天気が悪い日が多いのでクックが見られたらラッキー』と聞いていたので、予備日を含め4日間滞在の予定を組んできました。幸いなことに連日のお天気で、クックの姿が拝めたのはもちろんのこと、行きたかったトラックはすでに歩いてしまいました。1日早くクウィーンズタウンに行っておこうと、バスチケットを本日午後2時のバスでに変更しておきました。さあそれまで「何をしよう?」。

 パンフレットやビジター・センターでの情報を元に検討し、「往復2時間」のRed Tarns Truk(レッド・ターンズ・トラック)を歩くことにしました。案内には『「ターン」とは山中にある池のこと。このコースは広大なパノラマが楽しめます』とあります。今日も良い天気なので期待できそうです。

レッド・ターンズ登山口
レッド・ターンズ登山口
右上に見える山の麓までほぼ直登
右上に見える山の麓までほぼ直登

 ケア・ポイントもフッカー・バレーも緩やかな道だったのでレッド・ターンズも同じだと思って来てみたのですが、『パノラマ』と言うだけあって登山口はご覧の通り目の前の山を登るコースでした。急角度の九十九折階段が続いて、息はゼイゼイ。道端の花の姿に励まされながら登ります。

アオラキ/マウント・クック・ビレッジが見えてきました
アオラキ/マウント・クック・ビレッジが見えてきました

 小休止を繰り返すこと数度、ふと来た道を振り返ると登山道の間から滞在している村が見えてきました。この先徐々にパノラマが広がり、アオラキ/マウント・クック・ビレッジの全貌が望めるようになります。右手道路がクライストチャーチ方面、左に行くとビジターセンター、中央に見える茶色の屋根の建物がYHAです。

山上湖に映るマウント・クック
山上湖に映るマウント・クック

 休憩ばかりしていたので距離が稼げず、途中「来るんじゃなかった。バスに間に合わなかったらどうしよう」と思いながら歩いていました。でも最後の急登を登りきり、この景色を目にしたら即「来て良かった!」。一気に幸せ感に包まれてしまいました。

 コース名になっている池は、尾瀬ヶ原にあるような池塘(ちとう:高山の湿原や泥炭地にある池沼)のようです。大小いくつかの池があって周遊の散策路が設けられています。背後には屏風のような岩山、目の前にはアオラキ/マウント・クックとその兄弟達が水面にその雄雄しい姿を映しています。

池の中の赤い草
池の中の赤い草

 『赤い水草が茂っているのがコース名の由来』と案内書にあた通り、池の水草はこのように鮮やかな赤色をしていました。村からここまで、ほぼコースタイム通りの1時間少々(下りは30分)でした。

展望図
展望図

山頂付近からの眺め
山頂付近からの眺め

 展望台から見た、アオラキ/マウント・クック国立公園のパノラマで今回歩いたコースが総てこの中に入っています。ではそのコースを、仁王立ちで万歳をした人になぞらえて説明してみましょう。周回道路に囲まれた村が胴体、頭部分がビジターセンター、右手がケア・ポイント、左手がフッカー・バレー、左足がクライストチャーチからの道、そして右足が今日歩いたこのレッド・ターンズ・トラックになります。とするとYHA
の位置は、両足の間でしょうかね。

ジ・オールド・マウンテニアーズ
ジ・オールド・マウンテニアーズ
サーモン・ベーグル
サーモン・ベーグル

 登りと違って下りはあっけないほど早く、村に下りたのはお昼前です。アオラキさんにゆっくりお別れしようと、この2日間利用したフェ、ジ・オールド・マウンテニアーズで昼食を取ることにしました。

 お勧めはこのサーモン・ベーグルで、値段は15NZ$(約1000円)。もちろん生ビール6NZ$(約400円)も欠かせません。野外テラスでアオラキ/、マウント・クックを眺めながらジョッキを傾けるこの至福の一時。これがあるから、旅ってやめられません。

イエロー・ハンマー
イエロー・ハンマー

 『自然のままの状態で保護』と謳っているだけあって、公園内は固有種を含めた動植物も豊富です。花の写真も沢山撮ったは撮ったのですが、名前も判らず、もちろん分類もできないので今回は見送りました。代わりに食事中すぐ目の前に止まってくれた小鳥(多分Yellow Hammer:キアオジ)をお届けします。「固有種かな?」と思ったのですがネットで調べると、『ニュージーランドに生息しているのは人為的に持ち込まれたもの』だそうです。

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