ヤンバルクイナとノグチゲラ

 葬儀の後の諸手続きを終えて一息ついたころ、「家路」のマスター橋本さんが亡くなりました。火葬場でのお別れの時、母の時には出なかった涙が溢れてきました。2人の死は「一つの時代が終わった」と感じさせる重い出来事でした。

ヤンバルクイナ展望台より、沖縄最北端辺戸岬を望む

 法要の準備も終え、以前から気になっていた山原地域をドライブ旅行してきました。今回の主目的は「ヤンバルクイナ」に会うことです。今回は民宿に泊まろうとあちこち連絡したのですがどこも満室。理由を聞いてみると「年度末は工事関係者で一杯なんです」とのこと。仕方なく初日はテントを張って寝ましたが、この日は風が強くてテントがあおられ初の一人キャンプはドキドキでした。

 2日目に入っても風の強さは相変わらずで、沖縄最北端の辺戸岬では飛ばされまいと必死でした。その辺戸岬からも見えていたヤンバルクイナ展望台、行ってみると想像よりはるかに大きな代物で、「必見」というほどではないにしろこれはこれで見る価値はありました。

ヤンバルクイナ生態展示学習施設の人気者「キョンキョン」

 この日の目玉は安田にある「ヤンバルクイナ生態展示学習施設」。施設内に入ると係りの人が愛おしそうに「キョンキョンは人工ふ化個体の中でも人を怖がらないので人気者なんですよ」「ヤンバルクイナは縄張り意識が強いので、一つの空間に一羽しか入れられないのです」と熱心に解説してくれました。

 ヤンバルクイナはきれい好きで日に数回は水浴びするそうですが、冬場は1,2回と少ないのだとか。そのレアな機会にバッチリ遭遇。キョンキョンの水浴びを観客の驚きの声ともどもお楽しみ下さい。

 3日目、昨晩はやんばる学びの森に宿泊。本日は早朝5時45分出発のバードウォッチングと10時出発のガイドウォーク参加です。バードウォッチングは夜が明けやらぬ内にヤンバルクイナ目撃情報の多い地域に行き、樹林で寝るというヤンバルクイナを探します。1時間かけても見当たらず明るくなってきたので、次に餌探しの場所に移動しました。ここでも中々出てきてくれなかったのですが、私たちが諦めかけたころさっと道路を横切る黒い影。「ヤンバルクイナです!」。写真は撮れなかったけどバッチリ野生のクイナも見ることが出来ました。クイナ観察は冬場より5月過ぎがっ目撃確率が上がるそうです。

絶命危惧IA類のノグチゲラ

 10時からはガイドの玉城さんの案内でヤマシシコースを歩きました。お腹がオレンジのシリケンイモリ、この森の植生などの解説を受けながら散策していると小鳥たちの鳴き声が断続的に聞こえてきます。その中に木を叩く独特の音が混じっているときがありました。「ノグチゲラですね。ヤンバルクイナより数が少なくめったに見ることができない鳥」だそうです。

 しかし昨日のキョンキョンの水浴び、今朝の野生クイナとの出会いといい、今回の旅はついています。斜面を登っていたら「あそこにいます!!」と押し殺した声。10mほど先の木の幹を激しくつついていたのが幻の鳥ノグチゲラでした。2度あることは3度ある、玉城さんにも「ノグチゲラを見られるなんて感激」と何度も言われたほどとってもラッキーな旅になりました。

 今朝「環境省が「ヤンバル」地域を国立公園に指定」のニュースが流れました。このタイミングでヤンバルクイナとノグチゲラの動画をお届けできるなんて、これも又ラッキーの続きかもしれませんね。

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