歌の力

 何とか2016年を迎えてくれた母ですが食事の量が徐々に減り意識は半濁、あまり目もあけてくれなくなりました。「昔の写真を見れば元気が出るかも」と大急ぎで作ったアルバムも役に立たず、苦肉の策としてYou Tubeで童謡を拾い耳元にタブレットを置いてみました。初日は数曲で「もういい」と言われましたが、翌日は♪ゆりかごの歌や♪月の砂漠を目を閉じたまま口ずさむようにまりました。

澄子in家路 : 2013年(満91歳)

 その翌日、実家から母のラジカセとシャンソンのCDを持ち込み流してみると、しっかりと目を開け大好きの♪愛の賛歌を一緒に歌いだしたではないですか。ちょうど前日「食事で栄養が摂れないので高カロリーの点滴にしましょう」と太い静脈にカテーテルを挿入する中心静脈栄養に切り替えられたばかりで、今まで動かせなかった両手が自由になったこともあるのでしょうが、うたごえ喫茶「家路」でも披露した手踊りを始めたのには驚きました。まさに歌の力、ですよね。

 その後カテーテル挿入による発熱とかがあって各種点滴や酸素マスクの管につながれ、今は歌どころか会話もままならない状態になっていてます。もう一度元気になってもらって「一緒に歌が歌いたい」という思いと、看取りを覚悟しなくてはいけない時期が来たのかという思いが交互にやってきて、心は千々に乱れます。延命治療はお断りしてありますが、できるだけのことはしてあげたい。どこでどう親を看取るのが良いのか、新年早々重い問題を突き付けられています。

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