2009年10月08日

2009年10月08日 : 台風18号が日本列島を縦断、首都圏も2年ぶりに暴風域圏に入るなど、各地に大きな被害をもたらして行きました。子供の頃台風は秋の風物詩、毎年いくつかの台風に襲われるのを当然のことと思っていました。

 その頃、気象予報の強い味方だったのが富士山頂にあるレーダーでした。中学3年の夏、父に連れられて初めて富士山に登った時、山頂の目印になってくれたのも白く輝くレーダードムでした。

第二の人生を送っている富士山レーダードーム
第二の人生を送っている富士山レーダードーム
 あれから?十年、卒業研究の資料厚めに富士吉田市歴史民俗博物館に行った際、「御師の家」の向こうに似たようなドームを見つけました。「あれはテーマパークかしら?」。

 博物館で「富士山レーダードーム館」のパンフレットをもらってもまだ、擬似施設だと思い込んでいたのですが、行ってみたらアラマー、富士山頂で見た本物でした。不勉強なことに、富士山レーダーが引退したことすら知らなかったのです。

 1階は富士山レーダーと新田次郎を知るコーナーです。入館したらまずはシアターで「巨大台風から日本を守れ」を見ましょう。NHKプロジェクトXの第1回で取り上げられた作品です。毎日、09:40、10:45、11:50、12:55、14:00、15:05、16:10の7回上映されています。


 富士山頂が気象レーダーの設置場所に選ばれたのは、
第1に、日本の最高峰であること
第2に、独立峰で電波の遮蔽が少ないこと
第3に、南方は海面が望め、南方海上から首都圏に接近する台風を遠方から探知することが出来ること
第34、既に山頂に測候所があったこと
 だそうです。測候所に関しては是非、新田次郎の「芙蓉の人」を読んで野中夫妻を偲んでいただきたいと思います。
クイズに答えると認定書がもらえます
クイズに答えると認定書がもらえます
 2階は富士山からの気象観測業務、観測技術などを紹介するコーナーになっています。過酷な富士山頂の環境を体験できるコーナーや、実際の観測機器を使っての台風観測が出来るようになっていました。ここで10の質問に答えると、可愛らしい「気象観測員認定書」がもらえますよ。

 最上階が、35年の勤めを終えたレーダードーム本体です。
1964年9月10日、富士山レーダー完成
1965年3月、本格的な運用開始
1999年11月、35年間の観測業務を終える
2001年9月、富士吉田で第2の人生始まる

 現在日本の空は気象衛星と、長野県車山と静岡県牧ノ原に設置された2台の新気象レーダーが守っているそうです。富士山頂レーダーさん、長い間お疲れ様でした。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です